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企業もはじめるFab&Hack

競合企業も参加OK! 富士通「あしたのコミュニティーラボ」がハッカソンを続ける理由

あしたのコミュニティーラボが2013年3月に開催したイベント「企業が『MAKERS』から学ぶこと。」の様子。渋谷のFabCafe Tokyo を会場に多くの参加者が集まった。(提供:あしたのコミュニティーラボ 撮影:鈴木拓也) あしたのコミュニティーラボが2013年3月に開催したイベント「企業が『MAKERS』から学ぶこと。」の様子。渋谷のFabCafe Tokyo を会場に多くの参加者が集まった。(提供:あしたのコミュニティーラボ 撮影:鈴木拓也)

会社の外で自分の実力を試すことで新しい気づきが得られるなど、ハッカソンによって得られるものは多いという柴崎さんに、あしたのコミュニティーラボでも取り上げているメイカーズムーブメントについて尋ねてみると、ここでもメーカーの中から共創のビジョンを描く柴崎さんならではの答えが返ってきた。

「クリス・アンダーソンの本が話題になった時も、ものづくりをずっとやってきたような、企業の強者どもからすると、『あんなのお遊びだろ』みたいな評価が当初はありました。でも、私はそうではなくて、ものづくりの裾野を広げる文化がコミュニティー単位で広がっていくことは絶対に世の中の役に立つと思っていました」

柴崎さんの予想通り、大手企業がスタートアップと手を組むケースも珍しくなくなり、富士通もTechShopと提携する話もあるなどメイカーズムーブメントの核となる人や組織、コミュニティーは着実に社会に浸透しつつある。 

「目の前の3Dプリンタや造形物に関心がいきがちですが、ハードの部分は非常にまねされやすい。むしろ裏側にあるソフトウェアやクラウドサービスがすごく重要です。従来のものづくりをやってきた職人のような人たちと、ITやICTを組み合わせるというのは富士通の得意な部分です。ベンチャーと一緒に開発したり、学生たちと作ったりしたものを量産して保守していく、そういったプロセスを大企業がきちんとサポートするのが、メイカーズのエコシステムを作る上でとても大事だと思います」

メディアやアイデアソン、ハッカソンという形で社外との接点を作り、新しい刺激と気づきを提供することで、これからのものづくりに貢献するポイントを創出しようとしているあしたのコミュニティーラボ。
最後に、これからのものづくりの真っただ中にいる人たちに向けてアドバイスを伺った。

「プログラムでもハードウェアでも3Dのデータでも、いろんなものを形にして、世の中にシェアしていくことが大事だと思います。外に出すことで、それをもっと良いものに変えてくれる人が出てくるかもしれないし、若いうちに外の人と積極的に交わってほしいですね。若い人たちが自分の考えをアピールしたり表現したりする、そういう場を作るのは私たちの責務だと思って、あしたのコミュニティーラボをやっていますので、ぜひ遊びに来てください」

柴崎さんは30歳のころ、昇進を見送られる経験をし、強い挫折感を受けた過去がある。その時に「外の人ともっと交わらないと駄目だ」と思い、同業から全く畑違いの業界の人まで、とにかくさまざまな人に会い、社外のネットワークを広げることで、多様な発想を得たり、社外で知り合った人たち同士を繋げることで、それまで無かったものや事が生まれた経験が、あしたのコミュニティーラボの設立に強く影響しているという。

あしたのコミュニティーラボは、学生と富士通グループの若手社員が身近な社会課題解決を目指すプロジェクトを2年連続で開催。今年も多くの人が自分のフィールドの外の人たちと関わる機会を創出しつづけている。
 

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