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企業もはじめるFab&Hack

ルネサスがMakersの製品開発を支援——未来のドルオタアイテム?「きらきライト」が誕生するまで

きらきライトとがじぇるねの次のステップ

きらきライトで、fabcrossのロゴを空間に浮かび上がらせた様子。 きらきライトで、fabcrossのロゴを空間に浮かび上がらせた様子。

クラウドファンディングに出しただけだと、革新的なものでなければなかなか注目を浴びない。そこで飯島氏は、地道にコツコツといろんなイベントに出かけていってきらきライトが欲しい人の輪を広げていこうと思った。Maker Faireや品モノラボ、ハッカソンなどさまざまイベントをウォッチしながら自らも告知を行い、興味を持ってくれた人と名刺交換をした。

きらきライト・コアは、最大で256個のLED制御が可能なコントローラ。ビットマップ形式の画像データを保存したmicro SDカードを差し込むだけで残像表示ができるバーサライト機能や、音に反応して自動点灯する機能を持たせることができる。 きらきライト・コアは、最大で256個のLED制御が可能なコントローラ。ビットマップ形式の画像データを保存したmicro SDカードを差し込むだけで残像表示ができるバーサライト機能や、音に反応して自動点灯する機能を持たせることができる。

「ハッカソンでは、きらきライト・コアを使って、短期間で見栄えがするものを作る取り組みを行いました。そこからさまざまなノウハウやいろんな仲間が得られたことが、大きなメリットになりました。また、あるライトニングトークのイベントに参加して知り合った映像業界の方から、きらきライトで作る残像の動画の撮り方を教わったこともあり、個人でものづくりを行う場合の人のつながりの大切さを痛感しています」(飯島氏)

飯島氏は次のステップとして、完成品をリーズナブルな価格で世間に出したいという思いがある。そのためには、スポンサーとなる企業を見つけて、キャンペーン商品などを共同で作るための金型を起こしてもらい、それを使って製品を完成させたいと考えている。

「まずはものを作ることが重要です。LEDを使った商品のメーカーなどに相談に行きたいと思っています。それと、ペン型のものが欲しいという人がいるので、そういう人向けにワークショップを開きたいと思っています。買って終わりではなく、それを使って一緒にものづくりを盛り上げていきませんかという提案をしたいんです」(飯島氏)

クラウドファンディングへの出品を成功に結びつけるために、ルネサスがコラボキャンペーンを行った時に使用したきらきライトには、テクノ系アイドルユニット「Cupitron」のサインが。アイドルとのコラボキャンペーンはルネサスでも初の試みとなった。 クラウドファンディングへの出品を成功に結びつけるために、ルネサスがコラボキャンペーンを行った時に使用したきらきライトには、テクノ系アイドルユニット「Cupitron」のサインが。アイドルとのコラボキャンペーンはルネサスでも初の試みとなった。

一方で、飯島氏はバンダイナムコが行っている「カタログIPオープン化プロジェクト」にも参加している。このプロジェクトではスマホからキャラクターをダウンロードして、ペン型ライトに転送できるようなプラットフォームを作ることもやってみたいと思っている。こんなふうに、平日は家に帰ってくるとものづくりを行い、休日はイベントに出かけて行く生活を送る飯島氏。なぜそこまでものづくりにこだわるのか。

「ものづくり自体も楽しいのですが、普段の仕事だとできないことが実現できるということに、大きな魅力を感じています。ものづくりを始めるまでは、ソフトウェアエンジニアとして決まった企業とお付き合いをし、業務の中で作れるものも固定化されていました。今は自分が作りたいものを作り、それを自分の作品として発表でき、さらにはフィードバックも得られる。この楽しさをいろんな人に伝えたいと思っています」(飯島氏)

そんな飯島氏を支援してきたルネサスでは、今年はチャレンジプログラムを組み込む形でデザインコンテストを開こうと計画している。さらに、そのプログラムをインドでもやる予定だという。実は、すでにインドで2回ほどデザインコンテストを行っており、その反応の違いを実感している。日本でやると参加者の構成は趣味の人が8割、学生やスタートアップが2割になるのに対して、インドだと逆に学生とスタートアップが8割で趣味が2割になるなど、ビジネスに結びつけることについてとても熱心なのだそうだ。

下から上に向って、きらきライトの進化が見られる。一番上のきらきライト・コアはフリスクケースサイズ。 下から上に向って、きらきライトの進化が見られる。一番上のきらきライト・コアはフリスクケースサイズ。

もちろん、日本国内でも東京以外でチャレンジプログラムが開催できないかという声が上がっている。今後もがじぇるねのプログラムを広めていくために必要なもの。それは、なによりもユーザーのコミュニティだと松山氏は語った。

「現在、ルネサスのコミュニティサイトRenesas Rulzに『がじぇっとるねさすコミュニティー』を設けています。ところが、日本のユーザーの方々は炎上を警戒したり、他の人の顔が見えないためかあまりいろんなこと書いてくれません。それを打破するために、イベントなどで懇親会を行ったりしています。そういった場で話をしてもらうと、お互いこんな人がいるんだとわかり情報交換がしやすくなります。なにより、ユーザーと向き合って対話をすることが重要だと思います」(松山氏)

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