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3Dでハードコアな超高速ものづくり《最新事例》

企画のエッジを丸くしない! JTの3D×アジャイル高速・開発事例

企画当初、今回の商品開発プロセスは、コンセプト立案からデザイン開発、図面制作、試作、量産化計画というフェーズを順に経てゆく “ウォーターフォール型”が予定されていた。その全行程で責任を持ち、完成へ導いてゆくのが商品企画だが、飯原氏いわく「品質へのこだわりはメーカーとして誠実な姿勢だが、新しい商品を開発する際にはときに障壁となることもある」。

“売れる!”と確信したひらめきやアイデアの本質が、この“ウォーターフォール型”プロセスを経ることで、いつしか当初のアイデアからかけ離れてしまうことすらあるという。

それでは、世の中の企画はどこで「死んでしまう」のか。
全員がよい製品を世に送り出すことを望んでいるはずなのに、もしくは望んでいるからこそ確実な品質を求め、「実現可能性が低い」というマジックワードにより当初のエッジが削られ、丸くなってゆく。幾度も会議を重ねるプロセスによって企画を「磨いて」ゆくのだ。
最終の量産計画の段階で前行程へ差し戻されることもあり、そうなれば最善のタイミングでの市場投入もかなわなくなってしまう。

当初の企画のアイデアを損なわずに開発を進めるにはどうすればよいのか。飯原氏のみでなく、これは商品企画に携わる多くの人が頭を悩ませていることではないだろうか。

さて、単一樹脂素材での製品のデザインについて話を戻す。飯原氏と開発チームがさらにリサーチをする中で発見したのが弊社ケイズデザインラボの「D3テクスチャー」であった。 

最新加飾技術D3テクスチャーとは

革素材に見えるこの写真は、実は革ではなくプラスチックである。D3テクスチャーは、3Dデータ上のプログラムによってフルデジタルで製品にデザインを施すことができる技術だ。この技術を利用することで、単一樹脂素材でもデザイン性を持たせられる。木材や革などの自然素材の触感や見た目を表現できるほか、指紋がつきにくい・滑りにくい・触り心地がよい、などの機能的な表面加工も得意とする。

また、デザイン表現のメリットだけではなく、下記に挙げる懸念していた問題もクリアできると判断した開発チームからの打診で、JTとケイズデザインラボとの共同開発が始まった。 

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