3Dでハードコアな超高速ものづくり《最新事例》
【スター・ウォーズ】デス・スター2の完全再現モデルで見えた3Dプリントサービスの今後
2015年12月18日に公開された映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を記念して、さまざまなグッズが販売されている。その中の一つ「DEATH STAR II STAND LIGHT」はスター・ウォーズに登場する宇宙要塞「デス・スター2」を高精細な3Dプリントで再現したランプシェードだ。30万円近い価格にも関わらずコアなファンに支持され、蔦屋書店で展開されたスター・ウォーズのフェアでも注目を集めたという。
今回はその制作の舞台裏を、ケイズデザインラボ代表で自身もスター・ウォーズの大ファンという原雄司さんに伺った。インタビュー後半では3Dプリントサービスについても言及。一般層に普及していくための課題についても語ってもらった。
デス・スター2が欲しかった
——まず、デス・スター2を公式グッズとして制作することになった経緯を教えてください。
「カルチュア・エンタテインメントとの開発会議※1で僕から『デス・スター2が欲しい』って言ったのがきっかけですね」
——自分が欲しいから提案したんですか?
「会議では3Dプリントらしさがあるプロダクトだ、とかもっともらしく言いましたが、本音を言うと単純にデス・スター2が欲しかった(笑)。昔、壽屋(コトブキヤ)がすごく精密なデス・スターの模型を作ったのを覚えていて、あの時見たデス・スターのようなものを3Dプリントで作りたいという想いで始まった感じですね」
——今回は公式グッズとして制作されましたが、資料の提供は映画会社からありましたか?
「秋に予定していたフェアまで時間もなかったことから、急いで海外から洋書を取り寄せたり、映画のシーンを見たりしながら、ゼロベースで作ることにしました。公式グッズとしては、サンプルを送って監修と承認をいただくのですが、一発OKをもらえたことは嬉しかったですね」
——ということはゼロから制作したわけですか? さぞ大変な作業だったのでは……。
「資料には設定(直径160kmなど)の記載のみだったりと、内部のディティールが把握できなかったので、映像のイメージを重視して再現するという形に落ち着きました。ただ、今回担当したスタッフは、実はスター・ウォーズを見たことがなくて」
※1ケイズデザインラボは、TSUTAYAを傘下に持つCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の持分法適用会社
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