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3Dでハードコアな超高速ものづくり《最新事例》

企画のエッジを丸くしない! JTの3D×アジャイル高速・開発事例

図面が読めなくても、イメージ共有ができる

当時のもうひとつの問題が、二次元図面での検討の困難さだった。図面上でのパーツのR(半径)の微妙な違いの差をイメージして判断することは、図面からの立体物造形の経験値が高くなければ非常に難しい。

それを解決したのが、3Dプリンタでのモックアップ作成だった。アイデア時点では面白いと思えた葉巻やお菓子のクッキーをスキャンしたデザインは試作してみるとまったくイメージと違い、また牛革のデザインは高級感があった。3Dデータから試作品をプリントし、実際に「触れる化」することで関係者間でのイメージ共有ができ、より高度な議論を可能にした。 

アジャイル型開発で予想工数を短縮

当時、社内に立体の企画開発の前例が少ない状態で、従来通り部署間で順に引き継ぎながら開発をした場合、1年近くの期間がかかるという見積もりになった。それではミッションとして、半年という最適なタイミングで市場投入できない。 そこで「ゼロスタイル」プロジェクトの関係者が毎週、一堂に会してミーティングを行うことにした。

今回の事例の場合のアジャイル型開発

D3テクスチャーでのアイデア発案に1週間。次週に初期のデータでのデザインテスト、その次週に実際のモックアップを作成し、1カ月以内でアイデア検討を行い、そして翌月にはマーケティングを考慮した量産化の検討に入る。次の月でその量産可能なデザインでの試作型をいくつも検討し、アイデア発案から3カ月半を経てついにGOサインが出た。

この開発プロセスの見直しによって、当初のアイデアを共有しながらアウトプットイメージを検討することと、同時に量産化の検証も進めることで、部門間の差し戻しのロスをなくし、大幅に期間を短縮することができた。

3Dデジタルツールの活用とこれからの製品の開発プロセス

これにより、[単一樹脂素材でのデザイン性][検討時のアウトプットイメージの共有][長い開発期間とロスの短縮]がかなうこととなった。

完成した製品を目にしたとき、飯原氏はまったく感動がなかったと言う。そして、その「まったく感動がない」という事態に感動した。通常のものづくりでは、完成品を見たときにようやく実物を目にする、達成感やまたイメージ以上・以下であった驚きがあるものだろう。それが、今回の「ゼロスタイル」プロジェクトでは開発当初の目的とイメージを実現・共有し続けることによって企画が「生きた」製品開発を達成したのだ。

大規模な会社であるほど、開発方法の見直しは難しい選択であるかもしれない。しかし、3Dデジタルツールの導入は、従来、企画開発に携わる人を悩ませていた問題を解決してゆく。ものづくりのプロセスが見直され、改革された先にあるのは、よりよい製品を産み出したいという想いを正しくかなえる商品企画であるだろう。 

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