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2020年プログラミング必修化!「作る」ことで分かるSTEM教育

第2回 フィジカルコンピューティング~実践的STEM教育のススメ~

21世紀の新しいリテラシー「STEM教育」の現状と未来を探る連載の2回目です。今回はSTEM教育と「作る」ことがどう結びついていくのか、を紹介します。(イラスト:フラグメンツ)

ものづくりの教育的効果

人類は種として誕生したそのときからものづくりをやってきました。ものづくりは誰もが持っている能力であり、遺伝子に組み込まれた本能といえるかもしれません。
獲物を狩り、解体し、食べるにはどんなものが必要か? それをどう作ればいいか? 我々の祖先も自ら積極的に考え、行動したはずです。
ものづくりは本質的に「自ら学ぶ」という行為を伴い、その能力を育てます。STEM教育に合った行為といえます。

STEM教育におけるものづくり授業の基本は「Tinkering(ティンカリング)」です。
Tinkeringとは「いじくりまわす」こと。「ともかくやってみる」、「試してみる」ことが基本になります。そこには正解も不正解もありません。多様なアプローチが許されます。

Tinkeringという言葉には「自らが行う」ことが含意されています。一人一人が違ったものを作ることをメインテーマに据えれば、アプローチも違っていて当然です。
そこでは、自分自身のスタイルで学ぶことが許され、問題に対して繰り返し熟考しながらアプローチしていくことが前提になります。試行錯誤の中で自らが正解だと思う結果に結びついたとき、生徒は科学史上の発見や発明でしばしば起きるセレンディピティ(偶然に思いがけない幸運を発見すること。またはその能力)を体験することになります。それは自らの成長を感じる瞬間でもあります。

現実の社会で生きていく場合、正解がひとつしかないことは極めて稀です。
アプローチも多様で導き出された解が好結果をもたらすかどうかもやってみなければわかりません。Tinkeringを基本とするSTEM教育の授業は現実社会にも適合しています。

ただ、このような授業は大混乱しそうですし、余計な時間がかかりそうです。授業を管理しやすい従来型のスタイルを志向する教師にとっては悪夢のような時間かもしれません。
混乱を許容し、その中でどう授業を進めていくか。それを手助けする機械が2000年代後半に現れました。小型のマイクロコントローラと3Dプリンタをはじめとするデジタル工作機器です。

手を使って試行錯誤を繰り返すことで、ものづくりは初めて可能になる。 手を使って試行錯誤を繰り返すことで、ものづくりは初めて可能になる。

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