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2020年プログラミング必修化!「作る」ことで分かるSTEM教育

第4回 新たなマーケットの予感。STEMに沸き立つ教育市場の最前線をレポート

ブランド力を生かしたSTEM教育事業

教育産業界の雄、学研ホールディングスのSTEM教育への取り組みは、すでに数年前から始まっています。全国に展開している学習塾「学研教室」等で試行錯誤を重ね、その枠組みの中で、2016年に本格的なロボットプログラミング教室がスタートしました。それが「もののしくみ研究室」です。今は全国の塾、パソコン教室、学研教室など、約400教室で開講され、約1500人の子どもたちが参加しています。学研エデュケーショナル「もののしくみ研究室」編集長の前原達也氏にお話を伺いました。

STEMではなくSTEAM

——学研のSTEM教育の特徴を教えてください。

前原:我々が目指すところは「21世紀を生き抜く力をもつ子どもを育てる」ことにあります。そのために、STEM教育ではなく「STEAM教育」を標榜しています。「A」つまり「Art=アート」を他の分野と同じく重要視しています。技術や工学、数学を含む科学分野全般に関して、学研は「科学」や「学習」といった雑誌や書籍、実験イベント等で子どもたちにさまざまな体験を提供してきました。ただそこにプログラミング教育を加えるだけでは不十分だと考えています。アートを加えることで、創作・創造のプロセスに積極的に関わり、歴史、社会、文化といった観点にも触れることができます。理数教育+IT・コンピュータ教育というだけでは得られない視野の広がりを持つことも大切だと考えています。

「『A』、アートの分野も重要視しています」と語る「もののしくみ研究室」編集長の前原達也氏。 「『A』、アートの分野も重要視しています」と語る「もののしくみ研究室」編集長の前原達也氏。

——「もののしくみ研究室」とはどんな教室なのでしょうか?

前原:ブロックでロボットを組み立て、そこにプログラムを入れて動かす教室ですが、ロボットのカテゴリーには「もの」も含んでいます。例えば、歩行者用信号機や自動ドアといった日常よく目にする機械も「もの」の範疇に入ります。こういった身の回りにあるものをテーマとして取り上げることで、実生活とプログラミングあるいはものづくりの関係を意識し、社会のしくみそのものにまで目をむけてもらいたいからです。小学校3年生以上が対象で無学年方式、1回は10名までです。原則として90分授業を月2回行います。3年間で毎月変わる33のテーマに取り組んでもらいます。

ロボットや踏切など、いろいろなものをブロックで作り、プログラミングで動かす。 ロボットや踏切など、いろいろなものをブロックで作り、プログラミングで動かす。

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