2020年プログラミング必修化!「作る」ことで分かるSTEM教育
第5回 子どもに合ったSTEM教育に役立つ教材とは? ポイントは母親へのアピールと小学生でも使える開発環境
アクチュエーターやセンサーをモジュール化
——現在の主力商品としては、どういうものがありますか?
小室:チビビット(chibi:bit)とそれに追加して使えるモジュールを商品の中心にすえて事業を展開していこうと思っています。アクチュエーターやセンサーをモジュール化することで、コンピューターでプログラミングしたものを現実の世界で動かす体験がしやすくなると考えています。
モジュールとしては、スピーカーモジュールやLEDテープモジュールといった音や光が出せるアクチュエーター、あるいは、二足歩行ロボットを動かすためのサーボモーターモジュールや車に使うモーターモジュールなどを開発中です。そのほか、さまざまなアクチュエーターやセンサーをモジュール化していきたいと思っています。また、作ったあとにスタンドアローンで動かすことも大切だと思うので、電池モジュールも作ろうと考えています。電子工作の場合、軽くて扱いやすいリチウムイオンポリマー電池がよく使われるのですが、過電流・過電圧がかかると発火の危険もあるので、教育用としては問題です。見た目はごつい感じになりますが、乾電池を使うつもりです。
基板などの開発にあたってはスイッチサイエンスに豊富なノウハウがあるので、これからも連携して進めたいと思います。販売や広報にあたってもコラボしていくことになるでしょう。兄弟会社としての関係性は変わりません。
——将来構想について教えてください。
小室:2017年5月に行われたEDIX(教育ITソリューションEXPO)にブースを出しました。そこでチビビット(chibi:bit)に足りない点、新しいモジュールのアイデアなど、いろいろな先生方からさまざまな意見を聞くことができました。そのときに感じたのは、STEM教育に関してはフロントランナーの先生方でも試行錯誤されているんだな、ということです。多様な意見を取り入れて商品開発をすることが大切だと思いました。その意味では、チビビット(chibi:bit)だけにこだわってはいられません。ScratchやViscuitなどを使ってパソコン画面の中で遊んでいる子どもにも、外で動くものづくりを体験してほしい。将来は、いろいろなプログラミング言語で動く商品も開発していきたいと思います。