2020年プログラミング必修化!「作る」ことで分かるSTEM教育
第5回 子どもに合ったSTEM教育に役立つ教材とは? ポイントは母親へのアピールと小学生でも使える開発環境
「できたらいいな」が形になった。
——レゴ ブーストのシリーズには、どんな製品が含まれますか?
サイモン:ブロックには特別な3つのテクニックブロックが含まれます。距離と色のセンサーが組み込まれたブロック、モーターのブロック、それらをつなぐハブとなるブロックの3種類です。また、デザイン済みの作品が組み立てられるセットもあり、ロボット、ネコ、ギターなどが作れます。いずれも子どもたち自身がコードを書き換えて、デザイン済みの作品を自分のオリジナルに変えられるようになっています。レゴ ブーストの発売は2017年8月の予定で、価格は日本円で2万円を切るぐらいになりそうです。
——今後、加わる予定の機能はありますか? また、発売を発表した今、どんな感想をお持ちでしょうか?
サイモン:コーディング用のアプリには、オリジナル作品を作るためのエリアも用意する予定でいます。全てのエリアで、ティンカリング(いじくりまわす)が可能なセットになります。ドラッグアンドドロップで操作できるので非常に簡単に子どもたちが遊び、試し、コーディングを学べます。マイクロホンも使えるので、作品に音を加えるといったこともできます。
私の希望は、レゴ ブーストが子どもたちの創造性に新しい要素を加えることです。私が子どものころは、手を使ってブロックを組み立てても、実際に動作させることはできませんでした。想像力を駆使して頭の中で動かすしかなかったのです。それが今や、現実に動くあらゆるものをレゴブロックで作ることができます。私が子どものときに「できたらいいな」と夢見たことが、レゴ ブーストで可能になったのです。
基板開発を得意とするスイッチエデュケーションのチビビット(chibi:bit)とそのモジュール。世界的なシェアを誇るレゴブロックにプログラミングの機能を組み込んだレゴのレゴ ブースト。STEM教育用の教材開発競争は、世界中で始まっています。今後とも自社の強みを生かしたオリジナル商品が各社からリリースされていくはずです。市場での争いに勝利し、シェアを獲得する商品は何でしょうか? 注目されています。