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女性エンジニアキャリア特集

異業種とも連携した「街作り」が夢——日産自動車 田所ゆかり氏

人生の各ステージに応じたワークスタイルを

日産自動車株式会社 ダイバーシティディベロップメントオフィス
GCDF-Japanキャリアカウンセラー 主担 櫻井香織氏

日産自動車では、ダイバーシティ=多様性を企業の競争力と考えている。世界各国に多様なカスタマーを持つ同社は、性別や国籍、文化、年齢、学歴など、多様な従業員によって、新たな発想や価値が生まれることを重視しているからだ。

同社におけるダイバーシティへの取り組みは2004年から。牽引する「ダイバーシティ ディベロップメントオフィス(DDO)」が創設され、「ジェンダー(性別)」と「カルチャー(文化)」を2つの柱に、グローバルな取り組みを続けている。トップ層のダイバーシティも進んでおり、半数は日本人以外。日本における女性管理職も、取り組み当初の1.5%から2014年4月時点で7.1%に大きく増えている。

昨今、いろいろな場面で「女性の視点」といわれるが、同社でも商品企画、販売はもちろん、開発、製造の現場にも女性の意見が生かされている。たとえば製造現場では、女性が作業しやすい装置や工程にしたことで、誰もが働きやすくなり、効率化やミス軽減といった効果も出ているそうだ。

また日本独自に「ワークライフバランス」もテーマとし、性別、年齢を問わず、人生のさまざまなステージに応じ、ひとりひとりの時間の質が向上する働き方が実現できることを目指している。約1万5000人の社員を対象に、仕事の特性に合わせたフレキシブル勤務制度や、30分単位で月5日(または月40時間)を上限に利用できる在宅勤務制度の他、小学校6年生までの子女の育児や2親等以内の親族の介護を必要とする社員は、1日の就業時間を最大3時間まで30分単位で免除する就業時間短縮制度などを活用することで柔軟な勤務が可能となる。また育児休職者が復職したいタイミングで就労が可能となるよう社内託児所が3カ所の事業所に設置されており、“結婚”“配偶者の出産”“育児”“介護”などで利用できる「ファミリーサポート休暇」なども活用することにより、それぞれに置かれたライフステージの中で、最大限の力を発揮できるような支援を行っている。

「仕事を通じて成長したい、仕事でやりがいを感じたいと思うのは男女とも同じ。キャリアは多くの経験によって築かれるので、自分のキャリア形成とのバランスを考えて、各ツールを上手に利用してほしい」と櫻井氏。並行して女性のキャリア開発支援も推進している。

櫻井氏自身も現在子育て中。妊娠したときは、ちょうど希望する仕事にアサインされたときで、上司と相談しながら在宅勤務を利用してきたそうだ。「ありがたかったのは、母親ということで制限されることなく、普通に仕事をさせてもらえたこと。一人ひとりの価値観、多様性を尊重するという土壌があったおかげかもしれない」と振り返った。 

 

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