女性エンジニアキャリア特集
保育園にPTA、育児は大変で当たり前。だからこそ女性技術者に伝えたい事——富士ソフト 高橋百合子氏
フレックス、在宅勤務等、柔軟な働き方で活躍できる
富士ソフトは、独立系ソリューションベンダー。業務系、組み込み系ソフトウエア開発のほか、クラウド、ロボット、モバイルなど、ICTを支える技術を多く持っている。
同社の勤務形態は、コアタイムのない、フルフレックスタイム制度が基本。2013年には、技術職も含めた全社員を対象に在宅勤務制度を本格的に導入した。高橋さんのように、子どもの生活サイクルに合わせた短縮勤務で不足する時間は、在宅勤務で補えば、フルタイムで働くことが可能だ。現在までに在宅勤務の利用経験がある人は、延べ2000人ほど。管理本部 人事部 課長の益満博子氏は「経営者みずからが先頭に立って推進してくれたこともあって、浸透してきた」と語る。
産休はもちろん、育児や介護による休業は2年、その他出産前の母体保護休業制度など、法令を上回る制度を導入している。育児休業後の復職率は98.4%、2013年の実績では、育児休業を取得した65人のうち11人は男性だそうだ。
このような柔軟な働き方の背景には、各個人が時間の使い方に高い意識を持っていることがある。管理本部 人事部長の中村誠治氏は「そのプロジェクトで自分に割り当てられた工数を管理することは、入社したときからたたき込まれる。いかに有効に時間を使うかを考えて仕事をしていると思う」という。キャリアパスについても、社員一人一人が能力を発揮し、モチベーション高く仕事に臨めるよう、マネージメントだけでなく、専門技術を極める「スペシャリスト」という道も用意されている。
現在、社員のうち女性の割合は約20%。性別や境遇に関係なく、本当にパフォーマンスを出せる人を評価する風土を強みに、今後はもっと女性社員を増やしたいという。また女性社員のモチベーションアップや、復職時の不安を払拭するための制度や教育も、拡充させる考えだ。技術者集団である同社にとって、中核となるのは「人」。多様な働き方を推進し、だれもがそれぞれのキャリアで輝ける職場を目指す。