女性エンジニアキャリア特集
「仕事は楽しく!」 ひらめきのあるエンジニアになりたい——YKK AP 小倉千裕氏
子どもの顔を見ると、仕事を忘れる
——現在は3歳の息子さんの子育て中ですが、一番大変なことは。
毎日嵐のように時間が過ぎ、夜10時ごろには疲れて子どもと一緒に寝てしまう日々で、肉体的にも大変ではありますが、精神的な部分の方が大きいかもしれません。
これまでは男性と同じように仕事をして、それなりにキャリアも積んできましたが、今はどうしても出張に行けないですし、残業をしたくでもできません。一方では、なるべく子どもと一緒にいたい。そのジレンマがあって、割り切りが一番大変ですね。
——だれかに悩みを相談することはありますか。
同期の女性社員や夫に話すことはありますね。私の母も働きながら子育てをしてくれたので、同じ立場として相談に乗ってもらいます。母が子育てしていた時代は、今と状況も違いますから、大変だっただろうな、すごいなと本当に尊敬しています。
去年からは社内のSNSに「ワーキングママ」というコミュニティができました。子育てのことや、社内の制度をどのように使うといいかなど、情報交換をしています。みんなが同じように悩んでいると思うと、とても心強いですね。
あとは時間の都合がつけば、社内のママさんたちとランチ会をすることもあります。
——趣味でリフレッシュ……という時間はなさそうですね。
出産前は週2~3回ジムに通っていたのですが、今は無理ですね。
でも子どもがいると、気持ちを切り替えざるを得ないので、逆にいいのかもしれません。子どもが生まれる前は、家でも仕事のことを考えてしまうこともありましたが、今は家ではあまり考えなくなりました。子どもの顔を見ると、仕事のことは忘れられますね。
理解があって働きやすい
——ワーキングママにとって、働きやすい職場ですか。
私の部署は、現在子育て中・妊娠中の人が、8名もいることもあって、かなり理解があって働きやすいと思います。当然その立場になってみないと、分らないことも多いと思いますが、上司もどうしたら働きやすいかと、いろいろ考えてくれています。
——会社のサポート制度では、どのようなものを利用していますか。
産休、育休はもちろん、以前は時間短縮勤務も利用しました。よく利用しているのは有給休暇です。以前は半日単位だったのですが、今は1時間単位で取得できるようになっています。子どもを病院に連れて行くときなど、少しだけ遅れるという場合には、とても使いやすくて便利です。
——ではご主人のサポートは。
最近はかなり協力的で、何をすると私が助かるか、分かってくれたみたいです。
夫も同じ会社の人間なので、私の立場や状況をよく理解してくれているのは大きいですね。私が残業できるように、週に1~2回は、保育園のお迎えにも行ってくれます。