女性エンジニアキャリア特集
「仕事は楽しく!」 ひらめきのあるエンジニアになりたい——YKK AP 小倉千裕氏
任されて、育てられた
——これまでに影響を受けた人は。
入社4年目から12年間ずっとお世話になっていた上司です。当時はそれほど知識も技能もなかった私に対して、いろいろ教育し、仕事も任せてくれました。YKKグループのコアバリューに「信じて任せる」という言葉があるのですが、今思えば、そういう育て方をしてくれたおかげで、少しずつ成長できたのではないかと思います。「仕事は楽しくやるものだ」ということも教えてくれました。この上司に出会っていなかったら、仕事を続けていたかどうか……と思うくらいです。
——2014年秋に管理職に昇格なさったそうですね。
今度は「任せる」立場になったわけですが、なかなか難しいものですね。いろいろな人に相談したり、自分が任されて育てられたことを思い出して、「私が思うよりできるはず」と考えています。
昇格させていただいたということは、期待していただいているのだろうと思いますので、自分らしくやっていきたいと思っています。私を見たみんなが「ああいうやり方もあるんだな」と、自信を持ってもらえるような、ロールモデルの一人になれればと思います。
——仕事をするうえでのポリシーは。
上司が教えてくれた「楽しく仕事をする」ということです。でも最近は時間に追われて、忘れがちになっていますね。これを機会にもっと楽しむことを思い出したいと思います。
女性の視点、親の視点は強みになる
——女性に向いていると思う点はありますか。
窓のフレームの断面の図面を引くなど、細かい作業がとても多いので、女性向きという面もあるかもしれません。
また実際に家を建てるときは、おそらく女性が主導権を握ることが多いと思います。デザインや使い勝手などに、女性の視点、子どもを持つ親の視点を盛り込めたら、商品の強みにもなると思います。
——これからどういうエンジニアになりたいですか。
私の仕事には創造力が必要です。基本的な技術は今までの積み重ねがありますが、基礎は押さえながらも、常に新しいものを考えていかなければなりません。難しいことですし、今の私の課題でもありますが、創造力にもっと磨きをかけて、ひらめきのあるエンジニアになりたいと思います。
——最後に、エンジニアを目指す女性にメッセージを。
小さいころから工作が好きだったという方もおられると思います。私も理科と数学が得意で、なんとなく家の図面を引けたらかっこいいなという程度で始めました。どういう形でも、ものづくりに関われれば、とてもやりがいを感じられると思いますので、あきらめずに進んでいただきたいと思います。