女性エンジニアキャリア特集
「仕事は楽しく!」 ひらめきのあるエンジニアになりたい——YKK AP 小倉千裕氏
自律的に「ワーク」と「ライフ」をマネジメントし、キャリアを積める環境
YKKグループの女性が活躍する職場づくりの取り組みは、1998年の女性活性化委員会・小委員会活動からスタートした。2004年には、管理職候補に対する女性リーダーシップ研修、2011年には、女性社員が女性活躍推進を考える「なでしこプロジェクト」を発足させた。
YKK APは2012年4月に人事部 ダイバーシティ推進室を立ち上げ、男女を問わず、すべての社員が力を発揮できるよう、取り組みを進めている。同時に、社員が自らの人生設計に合った働き方を主体的に選ぶことを主旨とする「働き方“変革への挑戦”プロジェクト」では、ワークライフマネジメントに関する制度、施策を検討。「在宅勤務制度」、「フレックスタイム勤務制度」、小倉さんも「便利」と語っていた、有給休暇を1時間単位で取得できる「時間単位年休」のほか、ボランティア休暇も導入している。
仕事と家庭の両立を支援する制度には、子どもの看護や行事などに利用できる「子育て看護休暇」や、条件つきながら最長3歳の誕生日まで延長できる「育児休業制度」、また復職時の不安軽減のため、育児休業中の社内掲示板閲覧、育児や介護などで退職した社員の再雇用機会を創出する「キャリアリターン制度」がある。これらの施策には、働き続けられるよう支援するだけでなく、仕事では成果を発揮することを意識付ける目的がある。
同社では、現在数%である女性管理職を、2020年度までに4倍に増やす方針。2014年度からは、女性の管理職増加を目的とした「キャリア開発支援プログラム」を実施している。上司以外の先輩社員(メンター)が後輩を支援する「メンター制度」、時短勤務女性社員を対象とした「両立支援セミナー」、将来のキャリアを考える「にじいろ研修」など、さまざまな形で実践している。
YKKグループが目指すのは、社員が自律的に働いて力を発揮する「森林集団」。それは、年齢や性別、学歴を問わず、多様な背景、価値観を持つ社員が、会社の各施策を活用しながら、自ら「ワーク」と「ライフ」をマネジメントし、キャリアを積んでいくという姿なのだ。