新しいものづくりがわかるメディア

RSS


「Monozukuri Hardware Cup」、アメリカでの決勝大会に進出するスタートアップ3社が決定

モノづくり起業推進協議会は、ピッチコンテスト「Monozukuri Hardware Cup 2019」を2019年3月13日にHack Osaka 2019内で開催した。

当日は日本のハードウェアスタートアップ8社が登壇、英語によるプレゼンテーションと審査員からの質疑応答が公開された。選考の結果、stak、mui、XELA Roboticsの3社が、アメリカ・ピッツバーグ市で開催される世界大会「Hardware Cup 2019 Finals」(本戦)への出場権を獲得した。

1位 stak

photo stak 植田振一郎氏

stakは、自宅内の家電を制御できる電球型のスマートデバイスだ。電球のソケット部分にstakと各種モジュールを接続して使用する。

既存の白熱電球やLED電球に置き換えることができ、Wi-Fiに接続することでstakと接続した家電を遠隔操作できる機能や、自宅から半径100m以上離れると自動的に自宅のエアコンやテレビの電源をオフにする切り忘れ防止機能を備えている。

2018年11月にmakuakeを通じてクラウドファンディングを実施し、約310万円の支援を集めている。

2位 mui

photo mui Lab 大木和典氏

muiは、京都市に本社を構えるNISSHAの子会社mui Labが開発するスマートホームデバイスだ。

本体サイズ674×85×26mmの木板の表面はタッチパネルになっていて、メッセージの表示、照明や室温のリモートコントロール、天気や時刻の表示、ボイスメールなどの機能が利用できる。

Kickstarterを通じたクラウドファンディングでは、約11万ドル(約1200万円)の支援を集めることに成功した。既に複数の特許を152カ国で取得していて、アメリカで毎年開催されている世界最大の家電見本市「CES」でも2019年にイノベーション賞を受賞している。

3位 XELA Robotics

photo XELA Robotics ティト・プラドノ・トモ氏

XELA Roboticsは早稲田大学発のスタートアップで、ロボットハンド用の高密度3軸分布型触覚センサーを開発している。

ロボットハンドに搭載されたセンサーを通じて、前後、左右、奥行きの3軸で力を検知して数値化する。これにより対象物のつかみ具合や滑りの検出と防止、物体の認識ができ、人間の手のような動きが再現できる。 主に製造ラインにおける包装ロボットへの導入を目指している。

Holoash

photo Holoash 岸慶紀氏

Holoashは、ADHD(注意欠陥・多動性障害)傾向がある人向けのコミュニケーションロボットを開発している。卓上サイズのデバイス上にヒト型の3D立体映像が浮かび上がり、簡単な会話を通じて予定確認などの手助けを行う。

海外市場での展開を視野にアメリカで創業、モバイルアプリ版やAmazonのスマートスピーカーAlexa用のアプリケーションの開発を進めていて、2021年にハードウェア版の製品化を目指していている。

FutuRocket

photo FutuRocket 美谷広海氏

FutuRocketは、AI搭載カメラ「ManaCam」を現在開発している。

店舗や公共施設、オフィスを対象に、訪問者の数を正確にカウントでき、データ化する仕組みを提供する。ウェブサイトの効果指標の一つにもなっているPV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)といった概念を、実社会でも低コストで計測できることを目指している。

今後は店舗やオフィスでのPoC(概念検証)を経て製品化する予定で、9800円での販売と980円の月額課金でのサービス提供を予定している。

Mira Robotics

photo Mira Robotics 松井健氏

Mira Roboticsは、ロボットを活用した家事支援サービス「ugo」を開発している。ugoは自宅に配置したロボットを専用のオペレーターが遠隔操作して家事を行うことで、これまでの家事支援サービスの普及を妨げていた、作業者が自宅に入るという心理的ハードルや、交通費支給や鍵の管理といったコストを無くすことを目指している。

主に共働き世帯や高齢者世帯を対象にしていて、2020年のサービス提供開始を予定している。

ノバルス

photo ノバルス 山中享氏

ノバルスは、スマートフォンなどから乾電池を制御できるIoTデバイス「Mabeee」を開発/販売している。

2015年にmakuakeで資金調達後に製品化し、全国の家電量販店などを通じて一般販売を開始。その後、子ども用アプリの提供や、高齢者の見守りや子どもの帰宅通知などができるモニタリング用のモデルを発売、法人向けのIoTモジュールも提供している。

今後は産業用電池やコイン電池内蔵型モジュールの提供や、無線充電への応用を予定している。

TeNKYU

photo TeNKYU 菅英規氏

TeNKYUはインターネット上の各種サービスと連携することで、色で通知するスマート電球だ。

Wi-Fiを通じて天気予報サービスと連携することで、雨の予報が出ている日には人が近づくと自動で青色に点灯し視覚で天気を通知する。2018年12月にmakuakeでクラウドファンディングを実施し、約120万円の支援を集めることに成功している。

(※4位以下の順位は非公開につき、発表順に掲載)

関連情報

おすすめ記事

 

コメント

ニュース

編集部のおすすめ

連載・シリーズ

注目のキーワード

もっと見る