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ものづくりの人が知っておくべき権利

ものづくりビジネスをする人は、必ず押さえておきたい商標権

創作性などの観点から著作権や意匠権はものづくりにおいて重要な権利となっていますが、ものづくりをビジネスとして位置づけたときには、商標権も考えなければいけません。ビジネスをする上では、場合によっては著作権や意匠権以上に重要な権利である商標権。きちんと押さえておきましょう。

商標権とは商品やサービスの名前やマークを保護する権利

商標とは、製品を購入したりサービスの提供を受けたりするユーザーが、その商品やサービスを提供しているのが誰かを認識するために使われる文字や図形などの標識のことを指します。製品提供者は、製品の販売に際して製品の包装やサービス提供時にロゴや文字などを付与しなければいけません。また、商標は文字だけで構成されている文字商標と、図形や記号、文字と図形が結合したロゴ商標(商標法では定義されていませんが、文字と記号が合わさった商標としての総称)があります。

商標がもつ機能には、一般的に出所表示機能、品質保証機能、広告宣伝機能といったものがあります。出所表示機能は、その商標が付与された製品やサービスの生産者や販売者などの出所をユーザーに認識させる機能です。品質保証機能は、その商標が付与された製品やサービスは、一定の品質があるとユーザーに認識させる機能で、例えば特定の製品の「安心・安全」といったものが挙げられます。広告宣伝機能は、その商標が使用されている製品などをユーザーに認知させる宣伝活動としての機能です。製品やサービスを継続して提供していくことで、業務上のブランド力が高まり、財産的な価値が高まるようになってきます。 

ビジネスを始めるならば絶対に押さえていくべき

商標権は、特許権や意匠権などと同じく特許庁に登録して初めて認められる権利となります。登録の際には、「指定商品・指定役務」というその商標権を登録する商品やサービスの分野を選択して出願します。商標権としての存続期間は、設定登録日から5年もしくは10年です。また、更新を経てさらに5年10年と権利を延長させることができます。商標権は、特許権等とは異なり、独占使用の期間を一定年数で区切る制度ではなく、あくまで営業活動によって蓄積された信用を保護するためのもので、その商標が使用され続ける限り何回でも更新を行ない半永久的に権利を保護することができます。

商標登録が認められれば、その登録した商品やサービスの分野においては、商標権者以外は勝手に文字やロゴなどの記号を使用することができません。また、他人は商標登録と同一の商標のみならず、類似した商標も勝手に使用することはできません。しかし、逆に言えば商標登録をしておかなければ、同じサービス名や同じロゴなどを勝手に利用され、ビジネスが成長してきた後で商品名やサービス名を変更しなければならならなくなることもありえます。

特に、新規性のある製品にとってみれば、製品名やロゴは独自性を確立しブランド力を高めていくための重要な要素です。先使用権という、他の登録者よりも先に使用していたことにより、商標権を使用し続けられる権利も法律で認められていますが、この先使用権は立証が難しく、認められるケースも多いです。ものづくりをビジネスにするのであれば、始めに商標権の取得を検討しておくことをオススメします。

申請は、文字だけで商標登録した場合、図形や記号などロゴだけで商標登録した場合、文字と図形や記号などのロゴも組み合わせて商標登録した場合など、さまざまなバリエーションがあります。ハードウェアのみならず、ソフトウェアなどのサービスにも含まれる重要な権利の商標。新しいビジネスを始めようと考えている人には、特許や意匠よりも身近な権利となります。先に登録された商標との関係から、ロゴなどを工夫しないと商標権侵害になってしまうリスクもあります。

具体的な商標をどのような形で登録するのがよいか、判断が難しいケースでは、ぜひ弁理士や弁護士に相談してみましょう。 

【取材協力】シティライツ法律事務所 水野祐弁護士

 

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