3Dでハードコアな超高速ものづくり《最新事例》
3Dプリンタが可能にしたSUBARUの400万回再生PVの舞台裏
まず、車本体のモデリングとして実車データを3D出力用に修正した。実車サイズであれば可能な厚さも、縮小することによって薄くなってしまうため厚みを調整する。その中で、壁を突き破る演出にも耐えうる強度とレースでの速い走りのための軽さのバランスをとったモデリングが必要だ。
さらにラジコンカーとして走らせるためのシャーシを内蔵するため、十分に組み込める内径とそれらのバランスを総合的に考慮しなくてはならない。
ホイールは実物をスキャニングし、外装の見た目はそのまま、機能は既存のラジコンシャーシに対応させるモデリング修正を行った。ミラーやウイングなどの細かいパーツのクオリティは再現度を左右するので、精細な造形を得意とするプリンタで出力するために別データとして作成した。車体後方についたウイングはボディと一体でモデリングしてしまってよいのではないかと思うが、実は後の工程としてプリンタ出力したボディを磨き、滑らかな表面にしてからでなれれば塗装がうまく載らないため、突起物がなく磨きやすいよう別データとして作成した。
このあたりの、全体的な造形のプランと先を見越したデータ作成の判断は、まさにこれまでの経験によるものと言える。
この取捨選択こそが非常に難しく、モデリング、データ作成から最終的に出力をお願いする会社との連携まで決断の繰り返しだった。