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3Dでハードコアな超高速ものづくり《最新事例》

【スター・ウォーズ】デス・スター2の完全再現モデルで見えた3Dプリントサービスの今後

Rhinocerosでモデリングされたデス・スター2の外観。「この角度が一番見てほしい角度です」(原さん) Rhinocerosでモデリングされたデス・スター2の外観。「この角度が一番見てほしい角度です」(原さん)

——え? 知らない人が作ったんですか?

「事前にスター・ウォーズについて私が熱く語ったんですけど、あんまり響いてはいなかったようです(苦笑)。正確な資料が無いので、頭の中にある壽屋さんのデス・スター2を思い出しながら指示をしました。時間も限られた中で『イメージと違う!』と私から言われて、心なしかスタッフも泣きそうになっていた気がしましたけどね……ファンとして責任を持って、厳しくチェックしました」

——参考データ無しで作るのはさぞかし大変だったと思いますが、制作期間はどれぐらいですか?

「だいたい4日ぐらいですね。工数で言うと2.5人日。実は変わった作り方をしていて、普段は機構設計などを担当しているスタッフが(3D CADの)Rhinocerosで外側形状を設計し、中の複雑な形はFreeformというペン型の3Dモデラが得意なエース級スタッフが、スキャンデータを基に彫刻のようにモデリングしています。それぞれ持っている他のプロジェクトと並行しながら作業し、タイミングを見てデータを持ち寄り調整するような進め方でした。モデリングのスキルもありますが、あらかじめ使う3Dプリンタの特性を含めて段取りを決めていたので、短期間で完成にたどり着くことができました」 

内部はスキャンデータをペン型のモデリングツール「Freeform」で加工した。 内部はスキャンデータをペン型のモデリングツール「Freeform」で加工した。

——ランプシェードとしての機能とデス・スター2としてのリアリティの両方を持たせるのは難しくありませんでしたか?

「過去に似た形状のものを作った経験があって、光の拡散率や影のぼやけ具合もある程度分かっていました。ソフトウェア上でシミュレーションもできるので、データと実物はほとんど同じでしたね。3Dプリントは造形体積でコストが決まるので、強度を担保しつつもかなり肉厚を薄くしています。今回プリントに使用した(EOS製3Dプリンタ)EOSINT Pシリーズの特性にあわせ、モデリングの段階から気を使って作っています。フレームも実はガッチリとしていて、光の漏れや拡散も計算して作っているので完成度は高いと思います。照明としての雰囲気もいいですよ」

——まだ3Dプリントを使った製品が世に出ているケースは少ないと思いますが、ある程度の数を造形するに当たって問題はありませんでしたか?

「今回は国内の大手3Dプリントサービスビューローを使っていますが、いくつかの問題がありました」

 

(C)&TM Lucasfilm Ltd.

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