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アジアのMakers by 高須正和

大量生産でもDIYでもない、仲間内で頒布される「同人」ハードウェアが起こすイノベーション

どんどん同人の世界は広がっていくだろう

Seeedは、これまでIndie/同人が作れなかったものを作れるようにする活動を続けていく。fabcrossでも取り上げたオープンソースの携帯電話キットRePhone Kitはその好例だ(講演の時はまだ詳細が決まっておらず、違う名前で紹介されていた)。RePhone Kitは、12ドルぐらいで携帯が作れてしまうほど、ツールのコモディティ化が進んでいる中国・深センのコピー品カルチャーを基に、SeeedがIoT向けに携帯電話をキット化したものだ。RePhone Kitを使うことで、どんなものにも簡単に電話機能/通信機能を付加することができる。「電話機能をもったIndie Design/同人ハードウェア」が続々登場するきっかけになりうるキットである。

「DIYはDIT(Do It Together)に変わっていく、深センは小規模量産を考えたときに最高の場所であるだけでなく、魅力あるMakerが楽しく暮らすMakerの第三のふるさと(生まれた場所、住んでいる場所に続くもの)にしていきたい。ぜひ、深センに来てください」と訴えて、エリックのスピーチは終わった。

講演の内容は動画で公開されている。

この講演会では、エリック・パンに加えて、秋田純一先生(金沢大学)が「Makerの道具としてのハードウェアと半導体」と題して、いまや半導体/LSIまでMakerが作れるようになっていることについての講演が行われた。僕も「メイカームーブメントで世界の何が変わっているのか?」というタイトルで、今のMaker Movementの経済的影響について紹介した。全体の質疑応答が会場使用時間いっぱいまで続くなど、作ることの意味が拡張してきていることについて、多くの人が関心をもっていることがうかがえた。講演の全動画はYouTubeで公開されているので、興味を持った人はいつでも見ることができる。

告知

2016年1月29日に、この記事で登場したエリック・パンとSeeedなど、アジアのMaker事情を、井内育生/きゅんくん/江渡浩一郎らとまとめた「メイカーズのエコシステム」(インプレスR&D刊)が出版されました。日本と深センで自らベンチャーを行う小笠原治/藤岡淳一も寄稿し、山形浩生さんがイノベーションが生まれる構造について解説しています。

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