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女性エンジニアキャリア特集

ねじガールの夢は、自分だけのねじ「瑠美スクリュー」——興津螺旋 佐野瑠美氏

きっかけは「製品のことをもっと知りたい」

「落ち込んでも、食べて寝ると直る」。何でも前向きにとらえる強さを持っている。 「落ち込んでも、食べて寝ると直る」。何でも前向きにとらえる強さを持っている。

——大学は英米語学科だそうですが、なぜこの会社を選んだのですか。

姉が営業事務をしていたこともあって、私も最初は事務職を希望していました。インターンシップのときに「人は大事だな」と感じていましたが、会社説明会では社長自ら、ねじの作り方などを説明してくださったのがとても楽しくて、人や会社の雰囲気で選びました。

——では、なぜねじ職人に。

新入社員研修で、製品の箱詰めや梱包は経験しましたが、配属前の社長面談のときに「自分の会社の製品のことがまだまったく分らないので、もう少し勉強して製品のことを知りたい」と社長に伝えました。そうしたら社長が「やってみる?」と言ってくださって、先輩に教えていただきながら製造の研修をさせていただいたのがきっかけです。
入社した年の6月に製造部に配属されて、7月からは機械を担当させていただきました。

「ベテランの方はやっぱりすごい」。経験を積み重ねて、理想の職人を目指す。 「ベテランの方はやっぱりすごい」。経験を積み重ねて、理想の職人を目指す。

——それまではねじ職人になるとは考えていなかった。

会社説明会の工場見学で、匂いがすごく好きだなと思いましたし、入社してから、初めて出来たてのねじを持ったときにすごく熱くてびっくりしたことが印象に残っていて、作るのも楽しそうだなとは思いました。ただ勉強の意味で製造現場の研修をさせていただいても、それまで製造部は男性だけでしたし、配属は事務だろうと思っていました。 

——不安はありませんでしたか

初めての女性の職人ということで、最初はすごく不安でしたし、家族も驚いて「無理だ、社長にそう言いなさい」と言われました(笑)。

でも先輩も上司もみんな優しくて、いろいろ教えてくださったり、力がなくても安全に使える工具を作ってくださったり。だんだん不安もなくなって楽しく仕事をしています。 

実は木工や機械いじりも好き

——子どものころになりたかった職業とはまったく違いますか。

家が飲食店をやっていたので、子どものころはそこを継ごうと思っていました。
でも思い返してみると、祖父は日曜大工が好きで、私も余った木材をもらってハムスターの小屋を作ったりしていましたね。父も車やパソコンをいじるのが好きで、母も趣味はビーズ細工で、細かい作業を器用にこなします。私もはんだ付けとか結構好きですから、よく考えると家族の影響で、もともとものづくりが好きだったのかもしれません。

——趣味は料理とドライブと伺っています。

料理は、自分が食べたいものを食べたいときに作るので、クッキーを焼いたりすることもあります。ドライブはふらっと出かけて、自分の車のエンジン音を聞きながら走ったり、お店に立ち寄ったり。車をいじるのも好きですね。

小学校から高校までバレーボールをやっていたのですが、最近はサッカーを始めました。まだ上手ではありませんが、ダイエットにもなるかなと。

あとは部屋の片づけも好きなので、自分の部屋にこんな棚があったら……などと考えて、ホームセンターに行ってみたり、ちょっと無理な姿勢で、汗をかきながら何か作ったりするのは好きですね。

——ホームセンターに行くと、ねじをチェックしたりしますか。

そうですね。店頭にお取引先のねじがあると「これは私が作ったねじかもしれない」と、チェックしてしまいます。お客様のねじのストックの中に、私が作ったものを発見したこともあります。やっぱりうれしいですね。 

「いつも楽しそうに仕事をしています。」と社長の柿澤氏。 「いつも楽しそうに仕事をしています。」と社長の柿澤氏。

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